今年75本目「マイ・バック・ページ」

監督:山下敦弘リンダ リンダ リンダ
出演:妻夫木聡松山ケンイチ
製作:2011年 日本
映画 マイ・バック・ページ - allcinema
わたしの好きな「映画を見ればわかること」の川本三郎氏が原作。
それにこれまたわたしの大好きな「リンダ リンダ リンダ」の山下敦弘監督。さらに信頼している俳優のふたり。
だけど、今のご時世に、学生運動全共闘?どうなん?という気持ちは隠せない。
松山ケンイチ演じる活動家の気持ち悪いこと。気高い人物なんかと思いきやさにあらず、結局ちんけな男なのだがよくあんな役やる気になったな松山くん。
若きジャーナリスト役、妻夫木聡も良かった。「悪人」みたいな役より、やっぱりこういうまっすぐな青年がいいよ。仕事の後、レイトショーで映画見ていて、ああ川本三郎氏の若い頃だなあ、ってわたしも熱心に見れるうちに映画見とこう、と改めて思った。
最後の居酒屋のシーン。いろんな感情がないまぜになった主人公が泣くシーン。見ているこちらもいろんなわけのわからない感情の渦に巻き込まれてうれしいんでもない単純に悲しいんでもないわけのわからない嗚咽がこみ上げて来た。映画館を出てからもしばらくは油断するとウッてなっちゃうほど。
映画見る前に見かけた川本三郎氏の文章のせいもあって感傷的になっていたのかもしれない。

三年前に、35年連れ添った家内を亡くした。子供もいない。 66歳のいま、この映画を作ってもらって本当にもう『いつ死んでもいい』という気持ちである。

★★★★☆