今年20冊目「永遠の仔(四)抱擁」

なんだなんだ、どんづまりになって来たぞ。
絶望的なラストに突き進んでいるんじゃないかと気が気じゃない。
だけど、優希と同じような目に遭った、入院しているある女性が「今ではいい人生だったと言える」と言っている。これが優希の多少なりとも希望のある将来の予兆であればいいな。
数年ぶりに会った養父母への梁平の述懐に号泣。

「おれは……あなたたちに、似たかったですよ。
(略)
双海病院の、運動会のとき……母さんが作ってきてくれた、弁当のことは、いまも忘れられないですよ。おれに、おれなんかに精一杯、気をつかってくれて……。おれは、あなたたちのように生きたかった……似たかったよ……本当に、似たかったですよ」

永遠の仔〈4〉抱擁 (幻冬舎文庫)

永遠の仔〈4〉抱擁 (幻冬舎文庫)