なんだなんだ、どんづまりになって来たぞ。
絶望的なラストに突き進んでいるんじゃないかと気が気じゃない。
だけど、優希と同じような目に遭った、入院しているある女性が「今ではいい人生だったと言える」と言っている。これが優希の多少なりとも希望のある将来の予兆であればいいな。
数年ぶりに会った養父母への梁平の述懐に号泣。
「おれは……あなたたちに、似たかったですよ。
(略)
双海病院の、運動会のとき……母さんが作ってきてくれた、弁当のことは、いまも忘れられないですよ。おれに、おれなんかに精一杯、気をつかってくれて……。おれは、あなたたちのように生きたかった……似たかったよ……本当に、似たかったですよ」
- 作者: 天童荒太
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/11/01
- メディア: 文庫
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