今年4本目「十二人の怒れる男」★★★★☆

監督:シドニー・ルメット
出演:ヘンリー・フォンダ
製作:1959年 アメリカ

 既に法廷劇の代名詞となって久しい、アメリカ映画史に輝く傑作ドラマ。元々は高い評価を受けたTV作品で、その脚本・演出コンビによる映画版だが、そのいかにもTV向きの密室劇を上手くスクリーンに転化させた手腕は見事の一言。17歳の少年が起こした殺人事件に関する陪審員の討論が始まったが、誰が見ても有罪と思えたその状況下で、ひとりの陪審員が無罪を主張した事から物語は動き始める……。時には感情的に、時には論理的に展開される討論が、次第に無罪判決への流れに変わっていくスリルが、12人の点描と共に丹念に描かれていく。脚本のローズと共に製作を担当したH・フォンダをはじめ役者陣の充実ぶりも良く、特に最後まで有罪を主張するリー・J・コッブが強い印象を残す。今までの密室から一転、裁判所前で皆が別れていくラスト・シーンの解放感が快い。
 (allcinemaの解説より)

午前十時の映画祭で鑑賞。
ビデオをレンタルして一度見たことがある。
ほとんど有罪で決まり、というムードからたった一人が確信が持てないと疑問を呈したのをきっかけにだんだんと無罪支持者が増えて行く様子がエキサイティング。ずっと同じ部屋の中で、論理的に会話したり、感情的に怒鳴り合ったり、自分も参加しているかのようにどきどきする。
陪審員の人たちはじめ、目撃者やら事件・裁判に関わった人たちみんなして先入観や思い込みで物事を判断してあやうく無罪の子を死刑判決にしてしまうところだったんだ。
ヘンリー・フォンダは納得できないことをちゃんと冷静に主張してかっこよかった。裁判員制度で呼ばれたらわしも冷静に勇気を持ってやらにゃいけんね。