今年142本目「ラビットホール」

監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
出演:ニコール・キッドマンアーロン・エッカート
製作:2010年 アメリカ
素晴らしかった!
幼子を事故で亡くした夫婦の話なのですが、そんなに全編沈鬱なものでもなかった。
二コール・キッドマン、アーロン・エッカートがかわいい男の子を失い、同じ悲しみに囚われた夫婦といえどもそこからの回復アプローチは全く異なる。アーロン・エッカートは同じような境遇の人たちの集団セラピーみたいなのに参加しようとするが、ニコール・キッドマンはそんなとこ全然行きたくない。むしろ事故となった車を運転していた高校生男子に接近する。互いに理解できない行動によって、立ち直りに向かうところがおもしろいと思った。
ニコール・キッドマンの母親役の人も、息子を亡くした経験があり、悲しみのことを「大きな岩を抱えこんだようなもの」とたとえていた。大きな悲しみはなくなりはしないけど、少しずつ砕けて小さな石になる。でもなくなりはしない。そこにある。
加害者となった高校生男子の苦悩もしっかり描かれており、その高校生男子も印象的な演技、風貌の役者さんでよかった。
派手じゃないけどいい映画。
★★★★☆