今年7冊目「三国志 二の巻 参旗の星」

一の巻でもそうだったが、呂布のイメージがこれまで僕が読んで来た三国志と随分違う。暴れん坊のがさつな男、という印象だったが、北方三国志呂布はもう少し複雑で奥行きがある。妻の瑶への思いの強さは特に。丁原を斬ったのも董卓を斬ったのも瑶への思いから。赤兔や部下の騎馬隊への愛情も深い。
この巻では何といっても曹操青州黄巾軍100万をわずか3万の兵で降伏させる戦いがクライマックス。曹操の果敢さと知略がいかんなく発揮される。荀幾もいい働きをしている。
さらに曹操呂布の戦い。ここでも緒戦は呂布に蹂躙されてしまうが、落ち着きを取り戻しじわじわと勝利に導いていく曹操
劉備陶謙に譲られついに一州の主になったり、呂布に取られたり、袁術と戦ったり、まさに群雄割拠状態。甲子園でいうとベスト8ぐらいの面白さ。
今回の引用は、黄巾軍との講和に食糧などの条件はつけないと言っておきながら、講和なった後蓄えてあった食糧を贈り、礼に来た黄巾軍の指導者たちに言う言葉。

「張毅、礼などはいらぬ。政事がまだ定まらぬ。それに対する、私の詫びの品だ。私はまだ小さく、これだけのことしかしてやれぬ。なんとか、一年はしのげよう。その間に、荒れた田畠を耕せ。青州を、豊かな土地にしてくれ」

曹操は、大きい。

職場で洛陽出身のG君と三国志について僕は曹操が好きだと言った後に来たメール。

俺も曹操が大好きだ。
歴史上に評価があまりよくないようですが、文学家も軍事家もと世に知らされ、本当に実力をもつ人物だ。

三国志〈2の巻〉参旗の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

三国志〈2の巻〉参旗の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)