今年9冊目「行動することが生きることである」

まず、タイトルがいい。
それから「行動する」というと大仰にとらえてしまいがちだが

 頭で考えるだけのことは、何にもしないのと同じことである。私たちは頭で考えるのではなく、手で考えるのである。手を動かすことによって、考えるのである。

書くことを生業とし、着物のデザインや料理が趣味の著者らしい。
「手を動かす」というならこうしてキーボードをたたくことも「行動する」ということになるのだろうか。いいねいいね。
他、気に入ったところ。

何事をするにも、それをするのが好き、という振りをすることである。それは、単なるまねでもい。すると、この世の中に、嫌いなことも、また嫌いな人もなくなる。このことは、決して偽善ではない。自分自身を救う最上の方法である。

特に仕事に気が乗らない時などにこういう考え方は重宝すると思う。
健康について書いたもの。

歩かない。何でも食べる。これはしない、あれはしない、という垣根を全部とっぱらって了った。それでも平気だと思うようになった。凡てのことを気にかけなくなった。
(略)
 体を軽くして、肩の力を抜いて、何でもない気持ちで、生きて行きたいものである。而も、それでいて、何か自分の好きな仕事もしたいものだと欲張っているのであるが、一体、そんなことが、出来るものだろうか。
 人間は自然な気持ちで、つまり、平常心をもって生活さえしていさすれば、ほんとうに長生きをすることが出来るものと、私はそう信じているのである。

細かいことは気にしない、楽観的に過ごし、好きな仕事をやっていれば長生きできるもんなんだろうなあ、と信じられる。