今年33本目「英国王のスピーチ」

監督:トム・フーパー
出演:コリン・ファースジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター
製作:2010年 イギリス/オーストラリア

 「ブリジット・ジョーンズの日記」「シングルマン」のコリン・ファースが、エリザベス女王の父にして国民から慕われたイギリス国王ジョージ6世を演じて絶賛された感動の伝記ドラマ。吃音症に悩みながらも妻エリザベスの愛とスピーチ・セラピストのサポートで歴史的演説を成し遂げ、国民のリーダーとして戦争という難局に立ち向かう姿を描き出す。共演はジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター。監督は「くたばれ!ユナイテッド -サッカー万歳!-」のトム・フーパー
 英国王ジョージ5世の次男ジョージ6世は、幼い頃から吃音というコンプレックスを抱え、人前に出ることを極端に恐れる内向的な性格となり、成人してからも自分を否定し続ける人生を送っていた。吃音を克服すべく、何人もの言語聴覚士の治療を受けるものの一向に改善の兆しは見られない。そんな夫を心配する妻エリザベスが最後に頼ったのはスピーチ矯正の専門家というオーストラリア人のライオネル。彼は王子に対しても遠慮のない物言いで次々と風変わりな治療法を実践していく。そんな中、国王に即位した兄エドワード8世が、王室が認めない女性との愛を貫き、突如王位を返上してしまう。王位の継承など考えてもいなかったジョージは、最も恐れていた事態に直面し、恐怖のあまり泣き崩れてしまうが…。
映画 英国王のスピーチ - allcinema

TOHOシネマズ緑井で株主招待券利用。
コリン・ファース演じるジョージ6世がスピーチに向かう場面には、つまんないサスペンスでは敵わないほどドキドキした。
ジョージ6世、王室の人だけど、親近感のわくチャーミングな人。尊大だったり癇癪持ちだったりでめんどくさいところもあるけど、父親の期待に応えたい気持ちもあるんだろうし、支えてくれる妻に報いたいという気持ちもあるんだろうし、娘二人にはいい父親って感じだし、基本はまじめないい人なんだろうな。ガイ・ピアース演じる兄が王位返上して自分が即位することになった時の狼狽ぶりもかわいい。
ヘレナ・ボナム=カーターもよかった。ティム・バートン映画では変な役ばっかりだから、こんな献身的な奥さんみたいな役をやっているとすごく新鮮。こういう役も受ける人なのね。
クライマックスとなるドイツとの開戦を宣告するスピーチに向かう場面は、うまくいくのかいかないのかという緊張感もあり、自分の使命を果たそうというジョージ6世の覚悟が伝わってくる感動もあり、音楽の盛り上げ方もよくってじんわり来た。
いい映画。
英国王室はこんな映画作っても大丈夫なんだなあというのも感心した。寛大だなあ。
★★★★☆