白くて長いものが動いた

おなかいっぱいになり、酔っぱらっていい気分で家路につき、チンタラと歩いていたところ、とある病院わきの前方道端になにやらぼんやりと白くて長いものが横たわっているのが見えました。
なんじゃろ、あれ?
ちょっとした胸騒ぎがしました。
あの白くて長いものが何なのかということよりも、長くてニョロっとした生物を殊の外嫌う妻がまたむやみに騒ぎ出すのではないだろうか。下手したら悲鳴など上げるのではないか。夜中、というほど遅い時間じゃないけど、こんな静かな住宅街で大きい声を出されでもしたら、私が変質者と間違われるのではないか。
妻が気づきませんように、と祈ったのですが、気づいたもよう。
まあ、何かゴミの類なのだろう、はっきりさせて早くおとなしくなってもらおう、と目を凝らしつつ近づいたところ、なんと!動いたのです。
まるで、ヘビが鎌首をもたげるように。
妻だけでなく、わたしまで「うわっ!」と大声を出してしまいました。
え?
なんなん?
宇宙生物が死体の大腸にとりついて、病院から逃げ出してきたのか?
こういう時に迂闊に近づいたやつはだいたい宇宙生物に取りつかれて早々に犠牲になるんだよな
などとつまらないことを考えながらも、恐れをなして近づくことができず、迂回して早々に帰りました。