今年3冊目「三国志 一の巻 天狼の星」

久しぶりの三国志。1990年以降の読書記録は取ってあるが三国志は読んでいない。読み始めはしばらく違和感。劉備にしろ曹操にしろ若干人物像のイメージが違う。朱シュンだの石岐だの知らない(覚えていない?)人物も気になる。
黄巾の乱が収まり、董卓が洛陽入りしたあたりから俄然盛り上がって来た。
特によかったのは、

  • 艴水関の攻防のさなか、諸侯軍議の場に劉備が呼ばれたところ。読んでいるこちらも緊張。
  • 虎牢関の戦いで、呂布関羽張飛があいまみえる場面。
  • 洛陽を焼き長安に向かう董卓曹操がひとり追撃し、ボロ負け。

特に曹操の負けっぷりは凄まじい。無事逃げ延びて部下たちに囲まれた時の曹操夏侯惇の会話がいい。

「負けたな、夏侯惇
「なんの。殿は、生きておられます。生きているかぎり、まことの男に敗北などありませんぞ」

そして、曹操袁紹はじめ諸侯のもとに戻って言い放った言葉。

「私も、負けた。完膚なきまでに、負けた。この姿を見れば、それはわかろう。しかし、私は闘って負けた。そして諸君は、闘わずして負けたのだ。私は、闘わずして負けた諸君に、訣別を告げる」

しびれた。

昔から僕は曹操のファンだが、やはり魅力ある。でも曹操が背が低いというのは認識していなかったな。偉丈夫とはいわないまでも軍人らしくある程度の体格なのかと思っていた。

三国志 (1の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)

三国志 (1の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)